2017.10.30 Monday

「生きる」ということ。

「生きる」ということ。

先日、ある本で紹介されていた企業に感銘を受けたのでご紹介させて頂きます。

日本理化学工業株式会社 1937年昭和12年設立、代表取締役の大山泰弘さんが経営するこの会社はダストレスチョーク(粉の飛ばないチョーク)を主に製造されています。

50年程前から大山さんはご近所にある養護施設の先生に頼まれたことをきっかけに生徒さんの雇用に踏み切ります。身体に障害を持つ生徒さんに、社員と同じ仕事を教えるという困難にぶち当たり迷います。しかし大山さんは障害を持つ身体でも一生懸命に仕事にのめり込み、休憩すらも忘れるほど夢中な彼らのために、工夫を凝らした教え方を選んだのです。それは青いチョークの原料は青い容器に入れ計りに使うおもしも青にする。機械の稼働時間も一目瞭然で把握できるように自家製の砂時計を作るなど様々な工夫をします。

障碍者に仕事を教える苦労から得た知恵です。

一人ひとりに向き合い、何ができて何が出来ないかを理解する。能力に合わせて作業を考えその人に向いている仕事を提供することで能力を最大に発揮し健常者に劣らない成果を生むことができる。

大山さんはそう信じて雇用を続け今では7割が障害を持つ社員であるといいます。大山さんの信念に基づいた活動は世に広がりチョークのマーケットにおける日本理化学工業株式会社のシェアは全国で実に3割を占める実績を生むことになります。

まさに社会性を重んじた企業の活動が生んだ利益です。大山さんは障害を持つ彼らのために「これからも食わしてあげなければならない!」と更なる商品開発もしています。

そのアイデアも障碍者と健常者が共に働く環境から生まれたものです。

雪道で滑って怪我をしないための靴のバンドやどこでも描けてすぐに消せるマジックなど多くの商品を世に輩出されています。

ここまで大山さんが障碍者の雇用に人生を捧げて来られた理由には禅寺の住職とのお話が関係しています。

大山さんが住職に「なぜ彼らはあれだけ一生懸命なのでしょうか?施設でゆっくりTVを観て過ごした方が幸せではないですか?」
住職
「幸福とは、①人に愛されること。②人に誉められること。③人の役に立つこと。④人に必要とされること。②から④は施設では得れない、働くことによってのみ得ることが出来るのですよ。」
この言葉に目から鱗だったそうです。

大山さんはこのときから人間にとって「生きる」とは必要とされて働き、それによって自分で稼いで自立すること。それならそういう場を提供することこそ会社にできることではないか。企業の存在価値であり社会的使命ではないか。と志されたのです。

私たちは幸いにも健常者であり2本の足で立ち、2本の手で仕事が出来ます。

しかし幸福=仕事の報酬(人に誉められ、役に立ち、必要とされること)を自覚出来ていますか。人に仕事を教える際、本気で向き合い相手に合わせて考えられていますか。

正直私はまだまだ未熟であり、常に幸福感と感謝の気持ちをもって仕事と人に向かい合い続けられているとお答えする自信がありません。

大山さんの育まれたような組織作りを目指したいと深く心に刻まれましたので、この度皆様にご紹介させて頂きました。

皆様はどう思われますか?